2015年7月20日 朝の8時半にペトロザヴォーツク駅に到着しました。
手荷物を預け、フェリー乗り場へ
駅のそばに手荷物預かり所があります(駅を正面に見て右手のあたり)。私はその日中にサンクトペテルブルグに移動する予定だったため、コロコロバックを預けました。
内部はこんな感じ↓
案内板がロシア語なのでまごついていたら、並んでいる人の中に英語が話せる人がいて、料金について説明してくれました。
- 電子ロッカーに預けると24時間で300ルーブル(約630円)
- 奥のロッカールームだと24時間で170ルーブル(約357円)
特にこだわりはないため、迷わず170ルーブルのロッカールームを選択しました。
引換証としてこんなコインを渡してくれます↓
駅からフェリー乗り場までは、地球の歩き方に書いてあった通りに1番バスに乗りました
ペトロザヴォーツクの駅舎
乗車時に確認しなかった私が悪いのですが、1番バスはフェリー乗り場まで直接行くわけではなく、途中で降りフェリー乗り場まで数分歩くようです。
スマホアプリで、現在地を確認するも時すでに遅し。バスは角を曲がり、1停留所分通り過ぎてしまったようです。
「フェリー??」と方角を指差しながら、不安げに廻りの乗客に聞くと、ふたりのおばさんが案内してあげると申し出てくれ、ひとりのおばさんがフェリー乗り場のすぐ近くまで案内してくれました。しかも民家の間を通って、最短距離で。フェリー乗船時間まで30分を切っていたため助かりました。
言葉も通じないのにとても親切なロシアの人々には、感謝しかありません。
水中翼船でキジ島へ
ネットでフェリーチケットは予約していたため、乗船時にパスポートを見せるだけでOKでした。
チケットを予約した時の記事:モスクワのメトロとカウチサーフィン
ここがチケットブース↓
写真が反射していて申し訳ありませんが、これが最新のフェリー運行表です(2015年7月時点)
島に着いてから3時間後に帰りの船に乗って帰って来るというのはセットになっているようです。例えば、私の場合は10時半に乗船し、帰りは15時45分の船に乗り17時に港に戻るというパターンです。キジ島まで片道1時間ちょっとかかるというのをすっかり忘れていて、この日は18時発のサンクトペテルブルグ行きの列車を予約していました。かなりギリギリのスケジュールです。
船はほぼ満席でした。
先頭部分に乗ると、パノラマで前方の様子が確認できるのでおすすめです。
行きは進行方向で見て右手にキジ島の教会が見えますので、写真を撮りたい方はぜひ。
キジ島の教会は改修中
キジ島はオネガ湖に浮かぶ島で、教会のある部分が木造建築博物館として公開されており、ロシアの古い民家の様子なども展示されています。3時間で島全体を歩くことも不可能ではないようですが、フェリーに乗っていたガイドさんに聞いたところ、見どころは博物館のあたりだけで十分だと言っていたので、私は先を急がずこの博物館のあたりをゆっくり見学することにしました。(入場料400ルーブル)
ブログの記事で事前に読んでいたはずなのに、キジ島の教会が改修中だというのをすっかり忘れていました。同じ時間帯に日本人夫婦がいらっしゃったので声をかけて聞いてみると、2020年頃に完成予定だということです(これもあくまで予定のようです)
ロシア語でのツアー客がいましたが、残念ながら英語での解説はありませんでした。
プレオプラジェンスカヤ教会↓
できればこういう完成形が見たかったです
16世紀に起源を持つロシア最古の木造教会で、ポプラの木を材料として釘を1本も使わずに建てられたそうです。ロシアの文化遺産です。
↓隣のポクローフスカヤ教会内部 神父さんたち3人がツアー客に合唱をしていたので私も一緒に聴きました。ぽってりとした体からは想像できないぐらい、繊細な美しい声でした。
民家の展示も興味深かったです
展示室の中には、手工芸品のデモンストレーションをしている人が居ました。
羊の毛をよっているところ。手でひっぱるだけで糸が出来上がるのがとても不思議です。
裕福な農民の家の展示には、サモワールがありました(右奥の給湯器)
何故上にポットが乗っているの?展示室に居た人が運良く英語が話せる人だったので聞いてみると、サモワールは沸騰し続けるので熱を有効活用するためにポットを乗せているというだけのようです。ストーブにやかんを乗せるのと同じ発想ですね。
サモワールコレクション
ビーズで編んだ紐(首飾り?)は、この地方のお土産として有名なようです。
木を削り加工している職人さん
教会の屋根部分はこうやってパーツを組み合わせて作られているんですね。
パーツもちょっとしたお土産に。
博物館のあたりを1時間半ほど見学しました。
大天使ミカエル聖堂(鐘楼の演奏に遭遇できました)
まだ1時間ほど時間は残っていたので、島の中央部あたりまで行ってみようかとも思いましたが、この写真からは想像できないぐらい天気が変わりやすく、急に雨が降って来たのでフェリー乗り場近くのカフェレストランで休憩しました。
キジ島で日本人との出会い
カフェレストランに入ると、さきほどお話した日本人夫婦が居ました。「よかったら一緒にどうぞ」と声をかけてくださったので、私もビールをオーダーして同じテーブルにつきました。そこにもうひとり日本人女性も加わり、キジ島でまさかの日本人大集結となりました。
私以外は、皆さんロシアに仕事で住んでいる方々(モスクワ・ノヴォシビルスク)で、帰国が間近でキジ島を観光しに来たとのこと。モスクワで会ったロシア人も言っていましたが、キジ島に来る地元の人は少ないようです。ロシアに来る前はロシアは国土が広いので、国内旅行をたくさんしているのかと想像していたのですが、今は格安LCCなどもあるので、意外とヨーロッパに行くほうが安上がりだったりするみたいです。
皆さんの話を総合的にまとめると、ロシアでは私たちの想像以上に日本人ウケが良いということ。中国人や韓国人ではなく日本人だと言うだけで反応が変わるそうです。やはり日本料理やアニメ、マンガなどが好感度に大きく影響している模様。ロシアと日本の外交については、2年ぐらい前には北方領土のことやビザ発給のことなどでお互い歩み寄る体勢ができつつあったのですが、ロシアもウクライナとのクリミア地域での紛争の件ですっかり白紙に戻ってしまったというのが現在の状況らしいです。今回の旅でロシアが大好きになったので、今後の外交の行方については個人的にも気になるところ。
またロシアの中央に位置するノヴォシビルスクには、意外とアメリカ企業も進出してきており、海外からのビジネスも活発だという話も聞きました。まだまだ知らないロシアの姿がありそうです。
皆さんの興味深い話のおかげで、帰りのフェリーの時間まではあっという間でした。
ペトロザヴォーツクの港に着いたら、列車の時間が迫っているのでタクシーがすぐに見つかるか不安に思っていたら、日本人夫婦が「私たちは列車まで時間があるから、うちのドライバーを使って」と、自分たち用の送迎車を、なんと私に譲ってくださったのです。
申し訳ないと思いながらも、タクシーがつかまるかどうかもわからなかったのでお言葉に甘えさせていただきました。初対面なのにこんなに親切にしてくださるなんて、まったくこんな展開は想像していなかったので驚いてしまいました。
ノダさん、本当にありがとうございました!!おかげさまでサンクトペテルブルグ行きの列車にも余裕で間に合いました。お名前は聞き忘れてしまいましたが、日本語教師の女性の方も楽しい時間をどうもありがとうございました。キジ島は遠くて時間もお金もかかりましたが、そのぶん素敵な出会いもあったので、行ってみて本当に良かったです。