ブルジャンプ前

エチオピア

史上最悪のローカルガイドとブルジャンプを見に行った話【後編】

更新日:

2015年12月18日 エチオピア・カイアファール

前回のおさらい

成人の儀式ブルジャンプを見るため、ローカルガイドに連れてきてもらったのは、片道1時間の山奥にあるバンナ族の村。そこにいたのは原始的な生活を送る、装飾好きな少数民族でした。

バンナ族志茂田景樹ver

ブルジャンプに参加する少年たち
ブルジャンプに参加する少年

 

ムチ打ちの儀式がはじまった

村長の許可が下りたらしく、ムチ打ちの儀式がはじまりました。ムチを手にした成人男性に、女性たちが次々と「ムチで打ってくれ」と近づきます。

ムチ打ちの儀式

ムチ打ちの現場

ムチ打ちの跡

血だらけになった女性の背中。傷が多ければ多いほど、いい女として認定されるのです。

(ごめんなさい・・・寸止めで 笑)

「ムチ打とうか?」とバンナ族の男性にジェスチャーで誘われましたが、私は丁重にお断りしました。ムチ打ちに、ハマっちゃっても困るしね(笑)

 

 

バンナ族のフェイスペイント

バンナ族はブルジャンプの前に、男女問わずペイントを施すようです。

バンナ族のフェイスペイント

美しいバンナ族の男性

フェイスペイント中

目には憂いが

N
エチオピア人の均整のとれた顔には、フェイスペイントがよく映えますね

 

バンナ族との触れ合い

日が暮れる頃には、お互いの警戒心も解け、コミュニケーションが取れるようになっていました。

バンナ族とけんちゃん

苦い顔をする少年

照れてこんな表情になってしまう少年

バンナ族の少年たち

バンナ族は好奇心旺盛で、フレンドリーな民族でした。

物質的には恵まれていないようで、お腹が空きクッキーをこっそり食べていると「袋だけでもいいからくれ」と言ってきたり、またペットボトルも空のものでいいからくれないか、とせがまれる場面もありました。

何かの集会が始まった

 

 

待望のブルジャンプ

村に到着し3時間ほどたった頃、ブルジャンプに使われる牛の搬入がはじまりました。

ブルジャンプ用の牛

準備をする人々

人々が集まる方向へ行ってみると、少年たちのブルジャンプの成功を祈る儀式が行われていました。

ブルジャンプ前の祈祷

牛を並べる

一列に並べられた牛。少年たちがこの牛の背の上を4往復すると、成人として認められるのです。周囲で見守るバンナ族は、ラッパや鈴をかき鳴らし、少年が出てくるのを待っています。

そこへ一人目の少年がやってきました!

これがブルジャンプだ

軽快に牛の背を飛び跳ね、無事に4回往復!

熱狂のバンナ族

ブルジャンプが成功し、熱狂につつまれる村人たち。

 

そして二人目!

二人目のブルジャンプ

途中で何度か落ちてしまったものの、やり直してなんとか成功!

必死な少年

本当に全裸で牛の背中を飛び跳ねるんだなと関心したのと、少年たちの一生懸命さと応援している周りの大人の温かさに感動しました。

 

ブルジャンプ後にひと悶着・・・

ブルジャンプが終わったのは夜19時頃で、あたりは真っ暗になってしまいました。

ガイドのフランクは、バンナ族のひとりにふもとまでの道案内を頼み、私たちはチップとしてひとり40ブル支払いました。

スマホのフラッシュライトで足元を照らしながら、片道30分以上かけトゥクトゥクを降りた地点まで戻ります。暗い中での移動は、予想以上に気力と体力を使い、森の中でトゥクトゥクを発見した時には、安堵のあまり溜息が出たほどです。

 

ドライバーに駆け寄ると、様子がおかしいようです。

これだけ待たせたのだから、先にチップが欲しい

ドライバーは英語がほとんど話せないためフランクに通訳してもらうと、要求額はひとり100ブルとのこと。(約550円)

 

またか・・・。

個人的にドライバーには気持ち程度のチップは払ってもいいと思っていましたが、物価を考えるとひとり100ブルの要求は高すぎるし、これもフランクの小銭稼ぎとしか思えませんでした。

全員一致でチップを払わないとフランクに伝えると、フランクは

チップを払わなければ、ここからは一歩も動けないぞ
と脅してきます。

N
ここまで遅くなったのはそもそも私たちのせいじゃないし、むしろブルジャンプの予定を把握していなかったガイドのせいじゃないの?

私がこんな文句を言うと、今度はフランクがキレ始めました。

おれのせいだと?ムチ打ちの時だって、村長には自分のポケットマネーからお金を支払ったんだ!お前たちはどれだけ俺を困らせるんだ!俺だって疲れてるんだから、ドライバーにこれ以上交渉はしないぞ。俺はもう知らん!

さらに、けんちゃんも関西弁でフランクに悪態をつき、中国人男性もブチ切れ、気づけば真っ暗闇の森の中で全員がブチキレていました。なに、この展開・・・(笑)

 

約30分の押し問答のうえ、最終的に中国人男性の「ひとり25ブルづつドライバーに支払い、フランクをここに残して町に戻る」という案でドライバーが渋々動いてくれました。ガイドのフランクもそれはさすがにマズいようで、ドライバーに自分からも25ブル払い助手席に乗せてもらっていました。

 

ローカルガイドにご用心

カイアファールの町に到着したのは夜22時頃で、私たちは心身ともに疲れ果てていました。

フランクとの別れ際、以前知り合いの世界一周ブロガーTさんがカイアファールのローカルガイドと警察沙汰になった話を思い出し、「あなた、本当の名前は何っていうの?」と聞いてみましたが、「fu*k you」と悪態をつかれ、結局彼の口から名前を聞き出すことはできませんでした。

<後日談>

翌日カイアファールの町を出る時、フランクを知る若いローカルガイドと偶然会いました。フランクの名前を聞いてみると、なんと「シャーロン」というまったく別の名前だったのです。これは、Tさんがブログで記事にしていた警察沙汰になったローカルガイドと同じ名前でした。

カイアファールでは、違法ローカルガイドが高い価格で観光客にツアーを案内し、問題になっているという。若いガイドの話によると、シャーロンはカイアファールから少し離れた村に住んでおり、出稼ぎにやってきているという話でした。ちなみにこのような案件について警察に報告しても意味がないそうです。

少額のチップさえシャーロンに渡していれば、嫌な思いをせずにツアーを楽しむことができたのかもしれません。さらにチップを要求されていた可能性もありますけどね(笑)

噂通りエチオピア南部の少数民族巡りツアーは、金銭絡みのトラブルが多いようです。ブルジャンプを見に行くならご用心ください。ブルジャンプ自体はオススメですよ!

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札幌在住。これまで訪れた国は68カ国。 趣味は登山やヨガなど。コーヒーが好きです。

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