2016年3月28日 ネパール・コカール(Forest Camp)
マルディヒマールトレッキング3日目
7:00 起床
土砂降りから一夜明け、外に出るとすっきりと晴れていました。これでなんとか今日もトレッキングを続けることができます。トレッキングはまさに天候との勝負。期間を定めてトレッキングに来ている場合は、1日足止めになると目的地に到達できなくなる恐れもあるのです。
7:45 Forest Campを出発
出鼻をくじかれそうになる急勾配の坂から一日が始まりました。体中の汗が吹き出してきます。昨日の雨でドロドロになったはずの山道は、土がいい感じで水分を吸収してくれていて、問題なく歩くことができました。
30分ほど歩くと、見晴らしの良い場所に出ました。そして目の前に姿をあらわしたのは・・・
標高約7,000mのフィッシュテイル!!
聖なる山として崇められていて、そこを登る人は現在いないのだそうです。後ろから来たカップルの女性はフィッシュテイルを見た瞬間「Oh my God!!」と思わず叫んでいました。
ポカラのLakesideでは、天気が良ければこのフィッシュテイルを眺めることができるらしいのですが、私が滞在していた時には曇りで全く姿をあらわすことはありませんでした。
初めて目にするヒマラヤの山。この山も、雲がかかるとすぐに姿を隠してしまいます。神秘的な山たるゆえんですね。
数分ごとに表情を変える大自然に一喜一憂しながら、山道を突き進んでいきます。
フィッシュテイルを、もっと近くでちゃんと見たい。
漠然としていた目標を意識した瞬間、自分のスイッチが入った気がしました。
10:00 Low Campに到着
ここでお茶休憩です。天候が落ち着いてきて安心しました。
お茶を飲んだ後は、Badelと呼ばれるマルディヒマールのベースキャンプへ向かいます。
昨夜の雨が残っていて、ぐちゃぐちゃとした足場の悪い道でした。
11:00 マルディヒマールのベースキャンプ到着
ここでランチ休憩。ベスト・ダルバートと書かれた看板を見て、迷わずダルバートを注文しました。
炒ったばかりの大粒の豆が香ばしく、これぞベスト・ダルバート。トレッキング中に食べたダルバートで一番美味しかったです。
食事をしていると、High Campから下山中のドイツ人の家族グループが山小屋に入って来ました。どうやら雪が降り始めてきたらしいです。これは、まずい展開です。
水蒸気が凍り、大粒の氷が山小屋に襲いかかります。
ここで、まさかの3時間の足止めです。
ガイドさんは夕方前まで待ち、天候が変わらなければここで1泊しようと言ってきました。
それだけは何としても避けなければ・・・。ここで1泊してしまうと5日間のトレッキングのペース配分が崩れ、翌朝ビューポイントまで行けなくなる可能性が出てきてしまうからです。
大自然の力は、誰にもコントロールできません。
しばらくすると、激しく降り続いた雪が止み、山は雪山へと一気に姿を変貌させていました。3月にこんなに雪が激しく降るのは稀なのだそうです。
山小屋の人と世間話を続けるガイドさんに「行きましょう」と声をかけます。ここまで来たからには、フィッシュテイルをどうしても間近で見なければ・・・!
15:00 登山再開
さきほどの悪天候が嘘のように、静かでした。
そして驚くべきスピードで、空が晴れていきます。
振り返ると、暗雲の下に虹色に染まる空が見えました。
16:30 High Camp到着(標高約3,550m)
右側にはフィッシュテイル、左側にはアンナプルナ・サウスを望むことができる絶景ポイントです。
ついにフィッシュテイルと対面の瞬間です。山の中腹に雲がかかっているちょうど下の部分が、マルディヒマールです。(この部分は登山できますが、行く人は少ないそうです)
アンナプルナの大迫力に圧倒されます。
この日はHigh Campで1泊です。
High Camp Backpackers Hostel
部屋は窓が薄く寒いですが、窓からアンナプルナを望むことができる素晴らしいロケーションでした。
暖をとるのにストーブの近くに居たら、オーナー夫婦とトランプをする流れに。
ババ抜きをしてみたら、まったくポーカーフェイスができないふたりに、ネパール人の素朴さを感じてしまったのでした(笑)
19:00 夕食はチャーハンとガーリックスープ。この日もローカルワインを少しいただきました。
夜は貼るカイロをふたつ貼り、持参のモンベルの寝袋とブランケットを2枚借りても、寒すぎてしばらく寝付くことができませんでした。ヒマラヤの山々を間近に興奮していたせいもあるかもしれません。深夜1時頃に、ようやく眠りについたのでした。