2015年4月13日 キューバ・ハバナ
巧妙な連携プレーに騙される
ハバナに到着して3日目のこと。友人とふたりで、ハバナの旧市街にある中華街を歩いていると、女性に流暢な英語で話しかけられました。
女性は身なりもしっかりしていて、ホテルのツアーデスクで働いていると言いました。キューバでは親日家に会う機会も多く、私は何の疑いもなく彼女の話を信じてしまったのです。
その後、近くのお土産物屋さんをブラブラしていると、今度は男性にスペイン語で話しかけられます。「キューバは初めて?」と他愛もない会話からはじまり、やはりサルサフェスティバルの話に。彼は自分が会場まで案内してくれるとまで言ってくれました。
怪しい建物へ招かれ・・・
まずは、葉巻が格安で購入できるという場所へやってきました。そこはバハナのカピトリオ近くにある葉巻工場の裏側で、看板もなにもない建物です。入口に門番がいて、案内役の男性が声をかけると、扉を開けてくれるシステムになっています。
建物は吹き抜けになっており、2階に通されると、テーブルに葉巻が無造作に置かれていました。
女性は葉巻の説明をした後に、こう言いました。
周りを見ると欧米人の旅行者がいて、何箱も購入している人もいました。その様子を見て、1箱ぐらいなら買ってもいいか・・と友達と一緒に1箱づつ葉巻を購入してしまったのです。
(*このビルの反対側には葉巻工場があり、1階のショップでは、COHIBAの葉巻は5本入りのもので1箱20CUC以下で買えることがのちに判明)
買い物を終えると、案内してくれた男性が話しかけてきました。
彼と建物から出る時、一緒に居た友達が「これって絶対騙されたよね?」と耳打ちしてきました。
私はこの時まだ半信半疑で、歩きながらさぐりを入れるように彼と会話を続けました。彼に職業を尋ねてみると、普段は音楽の教師で、時々オーケストラのメンバーと一緒に演奏することもあると言います。
そしてサルサフェスティバルの会場に到着してみると、そこは人もまばらなただのレストランでした。「まだフェスティバルははじまってないみたいだけど・・・」と彼はお茶を濁します。
サルサフェスティバルは、大嘘だったのです。
彼はお酒を1杯おごってくれないか、と切り出してきましたが、丁重にお断りして友人とその場を後にしたのでした。
再び、葉巻詐欺のアジトへ・・・
キューバで40ドルといえば結構な大金。私は友人を説得し、さきほど葉巻を購入したビルに戻ってみることにしました。近くを通ると、葉巻売りを斡旋する売人が声をかけてきたので、その人を使って入口の扉を開けてもらいます。
さきほど葉巻を売ってくれた女性は居ませんでしたが、他の売人と、監視役らしき男性がいました。
少し粘ると、監視役は「ちょっと待って」と奥に相談しに行きました。
戻ってくると監視役は「誰に連れて来られたんだ?」と確認してきました。道端で知り合った人に案内されてきたと言うと「彼にマージンが入っただけだ。」とあっさりと私たちに告げました。
と、私が嘘をつくと、監視役の男性は不穏な雰囲気を感じたのか示談を求めてきました。
どうやらその建物は、売人たちのフリースペースとして解放していて、売人たちは自由に出入りできるようになっているようでした。結局私たちは2箱づつ葉巻を手にして、その場を後にしたのでした。
宿に戻り地球の歩き方を読んでみると、ハバナではサルサ・葉巻をキーワードにして話しかけてくる人に注意としっかりと書かれていました。