2015年12月20日 エチオピア・ジンカ
ムルシ族のツアーもトラブルもなく終わり、ジンカの町に戻ってきました。日本人グループと別れ、けんちゃんとふたりでジンカの町を散策することに。
世界一周ではじめての盗難に遭う
一年近く旅をしてきましたが、盗難に遭うのははじめてでした。スマホでジンカの町の風景を撮りながら歩いていると、子どもたちが寄ってきて、私たちにぴったりとついてきましたが、ジンカの子どもガイド・アベと仲良くなっていた私は、他の子にも多少気を許しており、子どもたちを追い払ったりもしようとも思いませんでした。
写真の奥の商店で、買い物をしました。その時、私はパタゴニアのショルダーバックを体の前で斜めがけしており、お財布をバックから取り出したのを覚えています。
買い物を終え、宿の近くまで戻ってきた時にアベと会いました。
翌日ジンカを出る予定だった私は、最後にアベと記念撮影でもしようと思い、バックに手を伸ばし、スマホを探したのですが・・・ん??
その時、世界一周ではじめての盗難に遭ったことを悟ったのでした。
スマホはポルトガルで購入したSIMフリーのサムソンのもので120ユーロほど。被害額としてはたいしたことはありませんが、スマホにはMaps.Meなどのオフラインマップアプリが入っており、正直スマホがないと旅はかなりキツいです。(けんちゃんとふたり旅だったのが不幸中の幸い)
来た道を戻り、商店周辺にもスマホが落ちていないか確認してみましたが(聞いたところで彼らが正直に答えてくれるはずもありませんが)、やはり見つかりません。
私は海外旅行保険に入っているため、盗難に遭ってもポリスレポートがあればたいてい補償されることを知っていました。いったんどこかの国で新しいスマホを購入し、帰国後にでも盗難分の保険申請をすればいいのです。
パスポートを取りに宿へ戻ると、Family Pensionの主人が「子どもたちが君のことを探していたよ」と言ってきました。この小さな町では噂が伝播するのが恐ろしく早いようで、少し怖くなりました。
警察署に向かう途中、子どもたちが走ってきて私にこう告げました。
子どもを信じ、ついて行ってみると・・・
疑い半分、信じたい気持ち半分ぐらいで、私は子どもについていくことにしました。
スマホ自体は保険で補償されるが、私はスマホで撮りためたエチオピアの町のスナップ写真を失うのが惜しかったのです。スマホ内の写真はwifi接続時にクラウドで自動バックアップされるよう設定してありましたが、エチオピアに入ってからはwifiが不安定で、ほとんどバックアップされていなかったのです。
犯人の家は、ジンカのメインストリートから郊外に向かった山中にあるとのこと。途中から、何故か子どもの横に男性がひとりぴったりとついてきました。けんちゃんも一緒についてきてくれましたが終始険しい顔をして、時折「絶対こいつら何か企んでる」とこぼしていました。
少し傾斜のあるジンカのメインストリートから、舗装されていない道に入った時、子どもの横にいる男性がこう切り出してききました。
嫌な予感が当たってしまいました。チップの相場がさっぱりわからず、逆にいくらなんだ?とメモとペンを取り出し、書いてもらうと
その額、5000ブル(約27,500円)
この子どもと大人がグルになり、私からお金を巻き上げようとしているだけだと悟った私は、彼らをその場に残し、警察署へ直行することにしたのでした。
なかなか動いてくれない警察と、驚愕のポリスレポート
警察官はなんとか英語を話せる人で、事の経緯を話すと対応してくれました。
なかなか仕事はやい!と感心したのもつかの間・・・
その日の夜ふたたび警察署を訪れると、別の警察官がこう言ってきました。
翌日ジンカを出るので、ポリスレポートだけ早急に発行して欲しいと伝え、その日は渋々帰宅しました。
そして翌朝8時・・・
期待せずに警察署へ行ってみると、やはりまだポリスレポートは作成されていませんでした。ただ昨晩のうちに犯人の両親は拘束され、留置所にいるとのこと。もはやどうでもいいが・・・。
どうしてもこの日中にジンカの町を出たかったため、英語が話せる警察官をつかまえ
と、強めに言いました。(この時、バスチケットなんて買ってもいませんでしたが)
その直後、取り調べ室のようなところに呼ばれ、その場でポリスレポートを発行してもらうことができました。エチオピアの警察にちゃんと働いてもらうには急かさないとダメみたいですね。
ぜ、全然読めないし(笑)
しかも事故発生日が2008年。
この国にはエチオピア暦というものがあり、西暦とはまた違うカレンダーが存在するのです。帰国後に保険会社に書類を提出する時も念のため「エチオピア暦で発行されています」とメモ書きをつけましたが、問題なく全額補償されました。
帰り際、ムルシ族ツアーでお世話になったガイド・ソロモンと道端でばったり会い、事の全貌を話すと「万一、何か情報が入ったら連絡するよ」とメールアドレスまで教えてくれました。結局メール送った後に連絡はありませんでしたが、ソロモンはめっちゃいい奴でした。
そんなわけで初盗難がエチオピア、しかも賄賂まで要求されるというなかなか貴重な思い出ができました。ブログネタとしてはおいしいかな。
ジンカからコンソへ
宿で荷物をピックアップし、バスターミナルへ。バスは乗客が集まり次第発車するシステムらしく、かなり待たされましたが、バスターミナル内のティースタンドで地元女性と記念撮影したりと楽しく過ごしました。
ジンカ→コンソ バス運賃90ブル+10ブル(荷物代として)
※大きな荷物はすべてバスの上の荷台に載せるシステムです
このあたりの路線は、観光客へのぼったくり料金もあるようなのでご注意ください。私たちはバスターミナルで地元の人に聞き、バス運賃の相場も知っていたため問題ありませんでしたが、同じバスに乗ってきた欧米人は私たちよりもかなり多く支払ったようでした。座席のシートはダニ被害もよく聞くため、座席にはビニールシートを敷いて乗車しましょう。
次はエチオピアからケニアへの国境超えのため、コンソという町へ向かいます。ネタが尽きないエチオピア編。次は何が起こるのかお楽しみに!
*以上、2015年12月時点での情報をもとに記事を作成しました。(1ブル=約5.5円で計算)