2015年12月18日 エチオピア・カイアファール
ブルジャンプを見に、バンナ族の村へ
フランクというローカルガイドと、日帰りでバンナ族の村を訪れました。成人の儀式として有名なブルジャンプ(男子が牛の背中の上を全裸で渡る)を見るためです。
出発は朝10時頃の予定でしたが、フランクは電話で誰かと揉めていて約1時間遅れとなりました。メンバーは私、けんちゃん、そして中国人カップルの4名です。
私たちは料金を抑えるために送迎を車ではなくトゥクトゥクにしたのですが、大失敗。後部座席には私、けんちゃん、そして中国人の旦那さん。中国人の奥さんは旦那さんのひざの上に座る羽目に。新婚さんなので、最初はキャッキャしていたが、途中から無言になりました。
バンナ族の村に向かう途中、フランクがこんなことを言い出しました。
エチオピア南部の少数民族巡りツアーでは、金銭的なトラブルが多いと聞いていたため、けんちゃんと私は相談し、ブルジャンプを見ることができない場合は全額返金してもらうよう契約書を作りフランクのサインを書いてもらっていました。
なるほど、それで出発前に電話で揉めていたのか・・・。
ただこの時点では、私はフランクのことを「私たちにブルジャンプを見せようと一生懸命なガイド」としか認識できていませんでした。
バンナ族の村まで徒歩1時間
私たちを乗せたトゥクトゥクは山道に入り、途中で私たちを下ろしました。今回訪れる村は、トゥクトゥクではアクセスできないような場所にあるようです。
村らしき場所に到着しましたが、ブルジャンプの儀式が行われる村はさらに奥にあるとのこと。フランクは、村人に誘導をお願いしました。
途中の川で、誘導してくれていたバンナ族の子どもたちが水を飲んだり体を洗い始めぎょっとしました。彼らは水道のない生活をしており、この川の水ですら貴重なものだったのです。
想像以上にバンナ族の村までの道のりは長いようでした。
そして私たちを一切気遣うことなく、先に進むフランクに、私は不信感を覚えていました。私は途中で「ガイドなら、もう少しお客さんのペースも考えて歩いたら?」とフランクに文句を言いましたが、フランクは悪びれた様子もなく「ごめんごめん。リュック持とうか?」などと言い、誘導係の子どもに私のリュックを持たせようとしたので余計にイラっとしてしまいました。
バンナ族の村に到着
村に到着すると、村人たちが木の下に集まっていて私たちを歓迎してくれました。彼らは足首に鈴をつけ、ラッパを鳴らし輪になって踊っていました。(これが成人の儀式の一部なのかは謎です)
装飾好きなバンナ族。女性のひとりにサングラスをちょっとだけ貸してと頼まれ貸したものの、彼女たちの赤土と油が塗られた頭髪でサングラスには汚れがつき、拭き取るのが大変でした。
村に到着して1時間ほど経ったころ、村人の動きがより活発になってきました。
村のあちこちを走り始めるバンナ族の女性とこどもたち。近くで撮影しようと追いかけようと試みましたが、彼らの足の速さについていけず断念しましt。あ
ローカルビールが振舞われる
成人の儀式が始まる前に、村人がペットボトルに入った飲み物をすすめてきました。いかにも怪しい(笑)名前は忘れましたが、穀物を発酵させたアルコール飲料のようです。
ペットボトルに口をつけずに、ぐいっと飲み込む中国人女性(たくましい!!)
私もつられて一口飲んでみましたが、酸っぱい泥水のような味がしました。
さらにこの後、勧められたのが素敵な器に入ったローカルビール。
こちらはいかにもヤバそうだったので自粛しました。これらのローカルビールはブルジャンプの儀式の前に飲む習慣があるそうです。
ムチ打ちの儀式の前に一悶着・・・
いよいよ楽しみにしていたイベントのひとつ「ムチ打ち」の儀式がはじまります。成人男性が女性の背中をムチで打つもので、その傷が多ければ多いほど女性は愛されているという証だそうです。一夫多妻制のエチオピアの少数民族の村での愛情表現は、想像以上にSMの世界ですね。
ムチ打ちが始まらずおかしいと思っていたら、村人と話し込んでいたフランクがこちらにやってきて、私に耳打ちしてきました。
この言葉にけんちゃんはブチ切れました。
日本円にすれば500円ぐらいの金額ですが、私たちも契約外のお金は払いたくないし、村長が本当にそう言っているのかも(言葉が通じないため)定かではありません。
フランクは中国人カップルにも同じ話をしていましたが、中国人女性にすごい勢いでブチ切れられ結局諦めた模様。彼は自分のポケットマネーから村長に払っておいたなどと言ってきましたが、隙あらば小銭を稼ごうとしているのは明らかでした。
さて、次回も引き続きムチ打ちの儀式&ブルジャンプの様子、そして最悪のツアーの顛末をお届けします。
*以上、2015年12月時点での情報をもとに記事を作成しました。(1ブル=約5.5円で計算)