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日本語教育能力検定試験に独学で合格する方法まとめ

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令和2年度10月に受験した「日本語教育能力検定試験」の勉強法についてまとめてみました。

日本語教育能力検定試験とは

日本語学校で日本語教師になるための検定試験のことです。日本語教師になるためには、以下の3つのルートがあります。(2021年5月時点)

  1. 「日本語教育能力検定試験」に合格する
  2.   学士の学位をもち、文化庁認定の「日本語教師養成講座(420時間)」を修了する
  3.   大学または大学院で日本語教育に関する主専攻プログラムか副専攻プログラムのいずれかを修了する

1の検定は、年齢制限なく誰でも受験することができます。私はフルタイムで働きながら夜間に養成講座に通うのは難しかったので、独学で試験対策をしました。

この検定を受験しようと思ったきっかけは、自分が将来海外に住むことがあれば、資格として活かせるかもしれないと思ったことです。そしてこの資格が国家資格になるという話があり、早めに受験したほうがいい、というアドバイスも参考にしました。(※国家資格とする要件等については、文化庁で協議中です)

試験の概要

とにかく出題範囲が広く、試験時間も長いのが特徴です。

試験Ⅰ 90分(10:10〜11:40) 100点 日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験II 30分(13:15〜13:45) 40点 聴解問題
試験III 120分(14:40〜16:40) 100点 熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。(記述問題あり)

お気づきかもしれませんが、ほぼ1日がかりの試験なのです・・・😂
そして合格率は例年20%台で試験は年に1回しか実施されないため、かなり入念な準備が必要です❗️

試験対策のスケジュール(私の場合)

2020年1月

前年に同試験に合格した友人から、テキストを借りてきました。通称赤本、緑本です。運良く、5年分の過去問のコピーも入手することができました。
赤本緑本

緑本は出題範囲ランダムの問題集。赤本は7章から成る500ページのテキストです。この時点では、緑本の問題集を解いてから赤本を読むという効率の悪い順序で学習を進めていました。この時点での正答率は3割以下。ほとんど手応えを感じなかったので、勉強を一時中断してしまいます。
※緑本の出題はかなりランダムなので、個人的には試験対策の後半に使うのがおすすめです。

2020年7月

試験の申し込みが始まったので、意を決して申し込みます。検定料10,800円。高っけ。実質ここから試験対策を始めました。まずは赤本の2週間かけて読み込みました(聴解問題はややこしそうだったので後回し)
※2021年度は検定料が値上げされ、14,500円(税込)だそうです。

2020年8月

赤本の聴解問題+5年分の過去問をひととおり解き終えました。正答率はまだ5割程度。
合格者の知り合いから、聴解と記述問題の解き方のコツを教えてもらったりしました。
(※こちらも後述します)

2020年9月

本番形式で過去問を繰り返し解いていきます。苦手な分野は、Youtubeの解説動画を繰り返し観ました。(※動画の詳細は後述します)

2020年10月(試験当日まで)

追い込みの最後の1ヶ月は、土日どちらかは自宅にこもり「過去問を解き、間違えた部分は解説やテキストを読む」をひたすら繰り返しました。この時点で正答率は約8割までになりました。聴解問題は、毎朝30分間集中して問題を解くのを日課にしていました。

私の場合、赤本+過去問のみで4ヶ月間で試験対策をしたのですが、最後は時間が足りず問題集(緑本)を解く余裕がなかったので、あと1ヶ月ぐらいあれば良かったなと思いました。

試験当日の注意点

久々の検定試験だったこともあり、思ったより緊張していたようです。

☑️ 交通機関のダイヤに要注意
日曜日で公共交通機関の接続が悪く、試験会場入りしたのは試験開始の30分前でした。またコロナ対策のため、会場の入口で体温測定やヘルスチェックシートの提出等があるので、1時間前には会場するように余裕を持って行くと安心です。

☑️ 机に置けるものや持ち込み品には制約があるのでご注意を
シャーペンの芯のケースを机に置くのはなんとNG。ペットボトルの水も飲むことができません。後ろの席の方がブランケットを持ち込んでいたのですが、試験ごとにブランケットにカンニングペーパーが仕込まれていないか試験官が入念にチェックしていました😅

☑️ トイレの混雑時間に注意
女子トイレが混みます。聴解問題が終わった直後は一番混んでいましたね。

☑️ 時間配分に要注意
試験Iは問題15までありましたが、過去問でも見たことがない問題が前半に固まっていたので、1分程度考えてもわからないものはスキップするようにしました。一番ややこしそうな問題3は、一番最後に解きました。

☑️ 試験II(聴解問題)の前にランチタイム
ランチタイム中は聴解問題にスムーズに入れるよう、イヤフォンでひたすら過去問を聞いていました。眠くならないように食べすぎないよう注意しました。

☑️ 答案用紙に名前を記入した後は、時間配分のシュミレーション&精神統一
答案用紙を配り始めて問題を解き始めるまでの待機時間は20分もあるので、名前を記入した後は、設問ごとの時間配分を計算したり、目をつぶって精神統一したりしていました。
(問題冊子は持ち帰りOKなので、解答速報の自己採点のために答えを控えておきましょう)

☑️ 問題IIIは比較的易しめ。しかし、最後まで気が抜けない
私の場合、問題IIIは既出の問題が多かったので、16時頃にはマークシートの回答を全部終わらせることができました。最後の記述問題には40分も時間を確保できたのですが、書き始め前の構成メモがうまくいかず、答案用紙に何度も消しゴムをかける羽目になりました。

私が受験した会場は、教室あたりの受験者は10人前後で、長机も1名づつとコロナ対策がしっかり取られていました👏机の揺れを気にすることなく、試験に集中できたのは有り難かったですね!

ドキドキの自己採点

アルクによる解答速報が試験翌日の昼頃に発表されます。会社の昼休みに自己採点。記述問題以外の点数は153点。Twitterの情報によると「マーク式153点で8割合格」とありましたが、解答速報は毎年公式の解答と5〜6点誤差が出ることがあるという話もあったので、決して安心できる点数ではありませんでした。特に問題Iの出来が悪く、ちょっと落ち込みました。

合否結果は2ヶ月後なので、待っている2ヶ月間は正直生きた心地がしませんでした。

そして12月26日。

諦めかけていたので、本当に嬉しかったです!

統計によると、令和2年度は申込者:11,316名、受験者:9,033名、合格者:2,613名なので、合格率は28.9%と例年に比べて良かったみたいです。

使用した教材・お役立ちサイトまとめ

私が試験対策で使用した教材はこちらです。最低限、赤本と過去問さえあれば何とかなると思いますが、問題集(緑本)に取り組むと、気持ちに余裕を持って受験できると思います。

過去問はこちらのサイトの解説を参考にしました。中国で日本語教師をしている方のサイトで、解説が超絶わかりやすいです。

日本語ジャーナルというサイトでは、試験直前に押さえておきたいキーワードを解説してくれていますので、こちらも参考にしてみてくださいね。(記述問題で見事「やさしい日本語」が出題されました・・・!!)

Youtubeでは、こちらの3つのチャンネルがおすすめです。

私が一番お世話になったのははま先生の直前「試験によく出る」シリーズの動画ですね。赤本のポイントを押さえて解説してくれています。ライブ配信では記述問題の回答のポイントなども解説してくれていました。めがね先生は試験全般情報を入手するのに活用しましたし、ももこ先生の動画は就寝前のBGMとして流していました。

テキスト→過去問→解説・動画のサイクルを繰り返すことで、学習内容の理解が深まりました。Youtubeはぜひ活用してみてください。

ポイント
聴解問題が苦手かもしれない、と思った方は「口腔図」を1分ぐらいでささっとかけるぐらい暗記しておきましょう。記述問題は「私はこう思う。理由は〜。以上のことから私はこう思う(繰り返し)」という構造で文章を書くことができればOK。2つの対立する意見がある場合、自分が指示しない意見についても触れるとなお良し。解答用紙には空白が出ないように最低限8〜9割ぐらいは埋めるよう気をつけましょう。

最後に

実はこの検定に合格したからといって、すぐに日本語教師として働けるというわけではありません。実務経験が3年以上ないとフルタイムの日本語教師として働けない学校が多いため、最初は非常勤講師から始める人がほとんどだそうです。また業界としては、コロナの影響で海外からの留学生が入国制限を受けているため、日本語学校の経営はより厳しくなっています。副業としてはアリかもしれませんが、本職として考えるのはちょっと危険かもしれません。

ただ、海外の人とコミュニケーションを取るのが好きな方や、言語習得の過程に関心が高い方、将来何かの場面で活かせるかもしれない、と思った方にはなかなか面白い資格だと思います。これから受験する方は、1年に1回の試験なので悔いがないようしっかり準備して臨んでくださいね。応援しています!何かあればコメントください。それでは!

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札幌在住。これまで訪れた国は68カ国。 趣味は登山やヨガなど。コーヒーが好きです。

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