こんばんは。この前行ってきたPlantationでの写真展&スライドショーの感想です。
4年9ヶ月かけて自転車で世界一周したようこさん&ひろさんの写真展
「世界は、こんなにも美しい」@Plantation(2014.3.22-3.30)
写真をスクリーンに投影しつつ、前半はようこさん、後半はひろさん担当とパート分けをして、旅でのエピソードを語るというスタイルでした。写真を見るだけではなかなか知ることができない、旅についてのおふたりの想いを知ることができて、本当に素晴らしいトークショーでした。
世界は大きな美術館
ようこさんは旅先で目にした光景を、まるで芸術品のように美しく切り取っていて、世界は大きな美術館だとおっしゃっていたのが印象的でした。
イランのイマーム広場での青のタイルに魅せられたり、中米の民家のベランダの両脇にセンスよく飾られたサボテンに感心したり、グアテマラの民族衣装に誇りを持つ人々を尊敬したり、エチオピアのポップなアートや岩の教会に興奮したり・・・。
その話を聞くだけでも、感性が豊かで、旅をいろんな角度で楽しめる本当に素晴らしい人だなあと思いました。(ちなみに、上記の場所は私的にはほぼノーマークだったので、世界一周で行きたい場所が増えて困っちゃいました!)
心やさしい人たちとの出会い
ひろさんのトークは、旅先で出会った人とのふれあいが臨場感のある語り口とともに伝わってきて、まるでひとつの映画を見ているような気持ちになりました。
なかでも印象的だったのが、イスラム圏で自転車で旅をした時の心温まるエピソード。
自転車で旅をしていると、道端で珍しいのか突然記念撮影が始まるんですって。誰かが「ちょっと待って」って言い残して消えたなと思ったら、わざわざ何kmも先にある町まで行って、果物とか食べ物を買ってきて「旅の途中に食べて」と渡してくれたこともあったそうです。
またある時は、民家の敷地内にテントを張らせてもらおうと声をかけると、断られたそう。そうしたら「テントは寒いでしょ。あなたたちを外に泊めるわけにはいかないわ」と、家の中に招き入れてくれ、しかも温かい食べ物までごちそうしてくれたうえに、ふかふかのベットも用意してくれたのだそうです。
翌日、家を出る時に持っていたお菓子などをお礼に渡そうとすると、旅で必要なものだから私たちは受け取れないと、それも断られたそうです。
見返りを全く求めない優しさって、どこから来るんでしょうね?
便利なものであふれていて、何不自由ない生活を送る日本人が忘れかけた何かを、その人たちは持っているのかもしれません。
またひろさんは、シリアでは人の温かさに感動したそう。
あのやさしくて笑顔が素敵だった人たちは、今無事に生活しているんだろうか?と心配しているようでした。
ヨーロッパでは、旅先で知り合った外国人の家にお邪魔したりしたそうで、旅で受けた恩返しではないですが、日本で外国人や困っている人を見ると、出来る限り助けてあげたいと思うようになったんだそうです。
想像以上にハードな自転車旅
自転車旅は、辞めたくなるほどキツい時もあったそう。
大自然の中を何日もかけて移動する時は、必要な日数分の水と食料を自転車に積まないとならないし、自分の体重よりも重い自転車を手で押さないと先に進めないという場面も。
パタゴニアでは、シェルターの中で雨宿りしていた時、本当に辛くて、お互い口を開くと「もう辞めよう」と言ってしまいそうで、ずっとふたりで無言だったということもあったそうです。
でもフィッツロイが朝焼けで真っ赤に染まる光景を見たり、突然道が開けて絶景が待っていたりすると、それでチャラになってしまったのだとか!
ちなみに、自転車旅は想像以上に体力を使うので、おふたりとももの凄い量を食べていたらしいです。食べて、自転車を漕いで、休んで、を繰り返す旅は、どんどんシンプルになって自分自身が浄化されていくように感じたと、ひろさんはおっしゃっていました。
アルゼンチンの肉は世界一おいしいらしいです。
世界一周の旅を終えて
旅を終えた時には、成し遂げた!というより、人の温かさや感謝の気持ちでいっぱいだったそうです。
世界一周をして何か変わったかと言われると、何も変わっていないけど、日常の当たり前のことに気がつけるようになったと仰っていたのが印象的でした。おふたりはきっとこの先も、素敵な人生を歩んでいかれるんでしょうね。私もそんな素敵な世界一周をしたいなぁと思いました。ようこさん&ひろさん、素敵な時間をありがとうございました。
会場には、旅で実際に使ったアイテムも展示されていましたよ。